ネット購入時に電子マネー(QRコード決済等)で支払う人は2025年に45.8%。クレジットカードは79.7%で最多のまま、両者の差は3年で38.2ポイントから33.9ポイントに縮小した(総務省)。
調査概要
インターネットで商品を購入する人のうち、電子マネー(QRコード決済・Suica等)で支払う人は、2023年の38.5%から2025年には45.8%へと3年で7.3ポイント上昇した。ネットで買い物をする人の半分近くが、クレジットカード番号を打ち込む代わりに、スマホの決済アプリで払うようになっている。
伸びが最も大きかったのは2024年——次のグラフでその1年を拡大する。
2024年、電子マネー決済の利用率は1年で5.0ポイント伸びた。決済アプリ各社のポイント還元競争が続き、コンビニや飲食店で日常化したQRコード決済が、そのままネットの支払いにも広がった年である。「実店舗で使い慣れた支払い方法をネットでも選ぶ」という自然な流れが数字に表れている。
クレジットカードに不満があるからではない。カード番号を入力する手間がなく、残高やポイントがアプリで見え、少額でも心理的な抵抗が小さい——「楽で、見えて、怖くない」の3点が、日常の少額決済から電子マネーを定着させた。実店舗で作られた習慣がネットに持ち込まれる、生活起点の普及パターンである。
クレジットカードは76.7%→79.7%と約8割で横ばいの王者であり続けている。一方、電子マネーの急伸により、両者の差は38.2ポイント(2023年)→36.3ポイント(2024年)→33.9ポイント(2025年)と毎年縮んでいる。なお本調査は複数回答であり、多くの人がクレカと電子マネーを併用している点に注意が必要だ。
つまりこれは「クレカ離れ」ではない。クレカが王座を守ったまま、その隣に電子マネーが「第二の財布」として定位置を築いた——決済の選択肢が1つ増え、シーンによって使い分けられる時代になったということである。
2本の線は「置き換え」ではなく「併存の拡大」を描いている。QRコード決済の多くはクレジットカードを紐づけてチャージ・支払いをしており、電子マネーの伸びはカード会社にとっても取扱高の増加につながる。対立軸で読むより、「ユーザーとの接点がカード番号入力から決済アプリへ移っている」と読むのが実務的に正しい。ECサイトにとっては、QR・ID決済への対応が『あれば便利』から『ないと離脱要因』に変わりつつあることを意味する。
| 年 | クレジットカード | 電子マネー(QR等) | コンビニ支払い |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 76.7% | 38.5% | 34.7% |
| 2024年 | 79.8% | 43.5% | 33.7% |
| 2025年 | 79.7% | 45.8% | 35.2% |
※インターネットで商品等を購入した15歳以上・複数回答のため合計は100%を超える。
年2〜5ポイントの伸びが続けば、電子マネーは2〜3年で5割を超える計算になる。クレカは8割で飽和しており、今後縮まる差は「電子マネー側の伸び」で決まる。次の観測点は2つ——電子マネーが50%の大台に乗る時期と、コンビニ支払い(35.2%)を含めた「カード以外」の選択肢がどこまで日常化するか。決済の主戦場は、カードの枚数ではなくスマホの中のアプリの並び順に移っている。
※出典:総務省「令和7年通信利用動向調査」世帯編報告書 図表5-14(2026年5月29日公表)。母数はインターネットで商品・サービスを購入した15歳以上(2025年:n=20,386)。複数回答のため各手段の合計は100%を超える。調査時点は各年8月末。
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