IPAが2026年6月に公表した「AIの動作・分析・利用等の説明に関する意識調査」によると、生成AIへの基礎知識が「十分ある」と回答した企業従業員は60.7%でした(2026年3月調査・n=2,000)。利用経験のある95%に対して、「十分な知識を持って使っている」のは60.7%にとどまり、約4割の従業員が「正確な理解なしに使っている」状況が浮き彫りになっています。
調査概要
IPAが2026年6月1日に公表した「テクニカルウォッチ:AIの動作・分析・利用等の説明に関する意識調査」の結果です。調査期間は2026年3月13〜24日、対象は大企業・中小企業×製造業・非製造業の4カテゴリ各500人、計2,000人。生成AIへの基礎知識が「十分ある」と回答した割合は60.7%。利用経験(95%)と知識充足感(60.7%)の差34.3ポイントが「知識ギャップ」を示しています。年代別では20代・30代が60〜70%台と相対的に高く、50代・60代はやや低い傾向があります。
ひとことで言うと?
「使ったことはある」と「正しく使える」は別物です。生成AIを利用経験のある95%のうち、「十分な基礎知識がある」のは60.7%──つまり利用者の約3人に1人は、ハルシネーション(誤情報生成)の仕組みを理解せずに出力を信頼したり、会社の機密情報を外部AIに入力するリスクを把握せずに使っている可能性があります。「AI研修は不要」ではなく、「使いながら正しく学ぶ仕組み」が今まさに必要とされている状況を、この数字は映し出しています。
インパクトデータ:生成AI基礎知識「十分ある」60.7%(2026年)
生成AIへの基礎知識が「十分ある」:60.7%(n=2,000・企業従業員)。生成AIを「利用したことがある」(同調査):95%。知識ギャップ(利用経験あり−知識充足感):34.3ポイント。判定(分類)AIの利用経験(同調査):63%。AIの動作・説明の重要性を「感じている」:調査での主要な知見として、AIのリスク・限界への説明への要請が全年代で高いことが示されています。企業が従業員へ提供すべきAI基礎知識の内容(例):①ハルシネーションの発生メカニズムと検証方法、②社内情報・個人情報の入力禁止範囲、③AI出力の著作権・知的財産リスク、④AIの判断バイアスの存在と検証。
このデータをプレゼンで使うには?
①誰に向けて話すか②次のスライドで何を話すか、を入力するだけで、このインパクトデータを使ったプレゼン冒頭のトークスクリプトを生成AIに作ってもらうためのプロンプトが自動生成されます。生成されたプロンプトをそのままChatGPTやClaudeなどに貼り付けてください。
よくある質問
Q. 生成AIの「基礎知識」として最低限押さえておくべきことは何ですか?
A. 生成AI利用者として最低限必要な基礎知識は5点:①ハルシネーション:生成AIは「確信を持って嘘をつく」ことがある。数字・固有名詞・法律・学術情報は必ず原典で検証する。②社内情報の扱い:無料版ChatGPT等に会社の機密情報・顧客情報・個人情報を入力すると学習データに使われる可能性があるため、社内ルールを必ず確認する。③著作権:生成物を商用利用する場合、学習データとの類似性問題が生じる可能性がある(現在も法整備が進行中)。④プロンプトの影響:同じ質問でも表現次第で全く異なる回答が出るため、問いの立て方(プロンプト設計)が品質を決める。⑤更新性:生成AIの知識には学習データのカットオフ(締め切り日)があり、最新情報には対応していない場合がある。
Q. 企業として「AI基礎知識のギャップ」を埋めるための研修を設計するとしたら、どのようなカリキュラムが有効ですか?
A. 効果的なAI基礎研修の設計例(全4セッション・各60分):セッション1「生成AIの仕組みとリスク」:仕組みの概要・ハルシネーション事例・社内ルール説明。セッション2「プロンプト設計の実践」:ハンズオンでプロンプトを試す・良い例・悪い例の比較。セッション3「業務ユースケース演習」:自部署の業務で生成AIを使えるシーンを特定し、実際に試す。セッション4「倫理・法務・セキュリティ」:著作権・個人情報・バイアス・AIガバナンスの基礎を学ぶ。研修後に「AI活用チャンピオン」を各部署に1名指定し、継続的な知識共有の仕組みを作ることが定着の鍵です。
Q. このデータはどこから取得できますか?
A. IPAが2026年6月1日に公表した「テクニカルウォッチ:AIの動作・分析・利用等の説明に関する意識調査」から取得できます。IPAのウェブサイト(ipa.go.jp)からレポートPDFが公開されています。
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