総務省の令和7年度調査によると、TikTokの利用率(全年代・13〜79歳)は2020年度の14.9%から2025年度は36.7%へ上昇し、2023年度にFacebook(27.4%)を逆転した。Facebookは6年間26.8〜28.7%のレンジでほぼ横ばい。X(44.7%)との差も21.4ポイントから8.0ポイントに縮まった。年代別では30代44.7%・40代42.6%と中年層でも4割を超えている。
調査概要
2020年度、TikTokの利用率は14.9%で、Facebook(28.0%)に13.1ポイントの差をつけられていた。それが毎年伸び続け、2023年度に27.8% vs 27.4%で逆転。2025年度はTikTok36.7%・Facebook27.0%と、逆に9.7ポイントの差をつけている。
注目したいのはFacebook側の動きだ。6年間の値は26.8〜28.7%のレンジに収まっており、報告書も「ほぼ横ばい」と記している。つまりこの逆転は相手が落ちたのではなく、TikTokが一方的に伸びた結果である。
SNSの主要3サービスを並べると、この6年の構図がよく分かる。Xも36.3%→44.7%と着実に増えているが、TikTokの伸び(+21.8ポイント)はそれを大きく上回り、両者の差は21.4ポイントから8.0ポイントまで縮まった。なお利用率トップは今もLINE(92.9%)で、動画共有系ではYouTube(81.5%)が高原状態を保っている。
年代別に見ると、最も高いのはやはり10代(67.9%)と20代(61.5%)だ。ただし30代44.7%・40代42.6%と、中年層でも4割を超えており、50代も32.2%——3人に1人が利用している。「TikTok=若者だけのアプリ」という前提は、少なくとも利用率の数字の上では崩れつつある。
とはいえ、40代の42.6%は「2人に1人弱」であり、過半数ではない。60代21.2%・70代11.1%と年代差も依然大きい。「みんな使っている」でも「若者しか使っていない」でもない——その中間の実態を、この数字はそのまま示している。
この調査の利用率は「そのサービスを利用しているか」への回答であり、投稿している人の割合ではない。TikTokは投稿せずレコメンドで流れてくる動画を視聴するだけの使い方が典型的で、40代の42.6%の多くは「見ている人」と考えるのが自然だ。投稿して目に見えるのは若年層が中心のため、「中高年が使っているイメージがない」という体感とこの数字は矛盾しない——測っているものが違うだけである。プレゼンでこのデータを使う際も、「利用(視聴を含む)」と「投稿」を区別して語ると誤解がない。
数値は13〜79歳・約1,800人の調査に基づく利用率で、利用時間の長さを示すものではない。また年代別のサンプルは各140〜338人であり、細かい差の解釈には幅を持たせる必要がある。あわせて、同調査ではLINE92.9%・YouTube81.5%・Instagram54.8%であり、TikTokの36.7%はSNS全体の中では依然5番手である点も踏まえておきたい。
| 年度 | TikTok | X(旧Twitter) | |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 14.9% | 28.0% | 36.3% |
| 2021年度 | 21.6% | 28.7% | 39.7% |
| 2022年度 | 24.5% | 26.8% | 39.7% |
| 2023年度 | 27.8% | 27.4% | 42.1% |
| 2024年度 | 33.2% | 26.8% | 43.3% |
| 2025年度 | 36.7% | 27.0% | 44.7% |
※利用率は各サービスを「利用している」と回答した人の割合(13〜79歳・n=約1,800)。視聴のみの利用を含み、投稿者の割合や利用時間を示すものではない。参考:2025年度はLINE92.9%・YouTube81.5%・Instagram54.8%。
TikTokの伸びは6年間、一度も前年を下回っていない(+6.7、+2.9、+3.3、+5.4、+3.5ポイント)。次回・令和8年度調査(2027年6月頃公表見込み)での観測点は3つ。この連続増加が7年目も続くか、Xとの8.0ポイント差がどう動くか、そして6年横ばいのFacebookのレンジ(26.8〜28.7%)が維持されるか——を定点で確認する。
※出典:総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)概要第5章。調査対象は13〜79歳の男女約1,800人(年度により1,782〜1,800人)。「利用率」は各サービスを利用していると回答した人の割合で、視聴のみの利用を含み、投稿者の割合や利用時間を示すものではない。年代別(10代n=140〜50代n=338)の数値は令和7年度。参考:同年度の全年代利用率はLINE92.9%・YouTube81.5%・Instagram54.8%・X44.7%・TikTok36.7%・Facebook27.0%・ニコニコ動画12.1%。年度表記は調査実施年度(2025年度=令和7年度)。
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