キャッシュレス決済、15年で17%→58%。推移が示す「電子マネーを抜いたコード決済」

キャッシュレス決済、15年で17%→58%のグラフ 定点観測

経済産業省によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(国内指標)と、2010年の16.6%から15年で上昇を続けている。決済手段別ではクレジットカードが82.7%と大半を占める一方、コード決済(PayPay等)が2022年に電子マネーを逆転し、2025年は16.6兆円と電子マネー(6.0兆円)の約2.8倍に達した。

調査概要

グラフ①:キャッシュレス決済比率の推移(2010〜2025年)
毎年更新:この記事は「定点観測」シリーズです。統計の最新値が公表されるたびに、同じURLで更新します(最終更新:2026年7月)
キャッシュレス決済比率(国内指標)の15年推移
2010年〜2025年(暦年)|経済産業省「キャッシュレス決済比率の算出結果」|国内指標(分母から持ち家の帰属家賃を除外)
→ 15年で16.6%→58.0%。政府目標「4割」は達成済み
キャッシュレス決済比率(国内指標)の15年推移グラフ。2010年16.6%から2025年58.0%へ上昇(経済産業省)

日本のキャッシュレス決済比率は、2010年の16.6%から一貫して上昇し、2025年に58.0%に達した。政府が掲げていた「2025年までに4割程度」という目標は、この国内指標では2021年に40.0%へ到達し達成済みだ。経済産業省は2025年12月、次の目標を「国内指標でキャッシュレス決済比率80%」(中間目標は2030年に65%)と定めている。

15年を通じて途切れず伸び続けてきたが、その伸びは近年むしろ加速している。何がこの加速を牽引しているのか——次のグラフで直近を拡大する。

グラフ②:急変点ズームイン(2018〜2025年)
直近7年でキャッシュレス比率はほぼ倍増した
2018年〜2025年|グラフ①と同スケール(縦軸0〜100%)|国内指標
→ 7年で+28.2ポイント。牽引役は新顔のコード決済
キャッシュレス決済比率の直近7年の推移グラフ。2018年29.8%から2025年58.0%へ+28.2ポイント(経済産業省)

2018年に29.8%だったキャッシュレス比率は、2025年に58.0%——7年で28.2ポイント上昇し、ほぼ倍増した。この加速の主役は、2018年に統計へ初めて登場したコード決済(PayPay等のQRコード決済)である。登場時の決済額はわずか0.16兆円だったが、2025年には16.6兆円と約106倍に膨らんだ。

コード決済はなぜ短期間で伸びたのか

クレジットカードや電子マネーの読み取りには専用端末が要るが、コード決済は店舗側がQRコードを掲示するだけで導入でき、初期投資が小さい。利用者もスマホひとつで完結する。加えて2019〜2021年にかけての大型還元キャンペーンが利用の裾野を一気に広げた。データが示すのは、この期間にコード決済がゼロから「決済手段のひとつ」として定着したという事実である。次のグラフで、その定着が決済手段の勢力図をどう変えたかを見る。

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グラフ③:コード決済と電子マネーの決済額——2022年に起きた逆転
コード決済と電子マネーの決済額の推移
2018年〜2025年|経済産業省(同一資料)|単位:兆円|コード決済はクレジットカード紐付け利用分を除いた金額
→ 2022年にコード決済が電子マネーを逆転、2025年は2.8倍
コード決済と電子マネーの決済額の推移グラフ。2022年に逆転し2025年はコード決済16.6兆円と電子マネーの2.8倍(経済産業省)

コード決済の急拡大は、決済手段の勢力図を塗り替えた。2021年まではSuicaや楽天Edyなどの電子マネー(約6兆円)がコード決済(約5兆円)を上回っていたが、2022年に逆転。2025年にはコード決済16.6兆円に対し電子マネーは6.0兆円で、その差は2.8倍まで開いた。電子マネーは2023年の6.4兆円をピークに、むしろ縮小に転じている。

ただし勘違いしてはならないのは、キャッシュレスの主役はいまもクレジットカードだということだ。2025年のクレカ決済額は134.6兆円と、キャッシュレス全体の82.7%を占める。コード決済はあくまで「第2の柱」の座を電子マネーから奪った、という位置づけである。

このグラフの正しい読み方

この15年でキャッシュレスの中では3つの異なる動きが同時に起きている。クレジットカードは絶対額を大きく伸ばしつつも構成比はゆるやかに低下(94.0%→82.7%)、コード決済はゼロから急伸して第2の柱に、電子マネーは頭打ちから縮小へ——である。「キャッシュレス比率58%」という1つの数字の裏で、支払いの手段そのものが入れ替わりつつあることが、決済・小売・マーケティングの戦略を考える上で重要になる。

データ一覧:キャッシュレス決済比率と決済手段別決済額の推移(2010〜2025年)
出典:経済産業省 キャッシュレス決済比率の算出結果
暦年CL比率(国内指標)クレカコード決済電子マネー
2010年16.6%36.0兆円1.6兆円
2018年29.8%66.7兆円0.2兆円5.5兆円
2020年37.3%74.5兆円3.2兆円6.0兆円
2021年40.0%81.0兆円5.3兆円6.0兆円
2022年44.0%93.8兆円7.9兆円6.1兆円
2023年48.4%105.7兆円10.9兆円6.4兆円
2024年52.8%116.9兆円13.5兆円6.2兆円
2025年58.0%134.6兆円16.6兆円6.0兆円

※比率は国内指標(分母から持ち家の帰属家賃を除外)。国際比較指標では2025年46.3%。コード決済は2018年統計開始・クレジットカード紐付け利用分を除く。デビットカードは2025年5.5兆円。

先を読む
2025年——キャッシュレス比率58.0%(国内指標)。クレカ82.7%・コード決済10.2%・電子マネー3.7%。

比率は直近も年5ポイント前後のペースで上昇しており、次回・2026年分(2027年3月頃公表)の観測点は「6割の大台」に乗るかどうか。より長い視野では中間目標の65%(2030年)、最終目標の国内指標80%との距離が焦点になる。手段別では、コード決済が電子マネーとの差をさらに広げるのか、そして頭打ちの電子マネーがどこで下げ止まるのかを定点で追う。なお国際比較指標では2025年のキャッシュレス比率は46.3%である。

このデータをプレゼンで使うには
ターゲット:決済・フィンテック・小売/流通・マーケティング・経営企画
SCENE 01|経営層向け・市場環境の説明
キャッシュレス化の「到達点」を示す
「日本のキャッシュレス比率は58%、15年で17%から3倍以上になりました。政府目標の4割はすでに達成し、次は8割が目標です。『現金大国』という前提は、もう過去のものです。」
SCENE 02|決済・小売の戦略会議
「第2の柱の交代」を根拠にする
「コード決済は2022年に電子マネーを逆転し、いまや2.8倍です。電子マネーは縮小に転じました。どの決済手段に対応し、どこへ投資するか——勢力図はこの数年で入れ替わっています。」
SCENE 03|フィンテック・提案営業
「クレカ依然王者」の構造を押さえる
「話題はコード決済ですが、決済額の82.7%は今もクレジットカードです。コード決済は第2の柱。派手さと規模は別物だと、数字で押さえておく必要があります。」
生成AIでグラフを生成する
ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeなどに下のプロンプトをそのまま貼り付けるだけで、同じグラフが自動で生成されます。
以下のデータをもとに折れ線グラフを作成してください。 【データ】 暦年, キャッシュレス比率(国内指標), コード決済(兆円), 電子マネー(兆円) 2018年, 29.8%, 0.2, 5.5 2019年, 33.4%, 1.0, 5.8 2020年, 37.3%, 3.2, 6.0
… (2010〜2025年の全データ・グラフ仕様・出典・注記を含む全文)

※出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月公表、2026年6月18日更新)。本記事の比率は経済産業省が2025年12月以降の新たな指標として採用した「国内指標」(分母の家計最終消費支出から持ち家の帰属家賃を除外)で、2024年以前の数値も遡って再計算されている。国際比較指標では2025年の比率は46.3%。決済額の出典はクレジットカード=日本クレジット協会、デビットカード・電子マネー=日本銀行、コード決済=キャッシュレス推進協議会、分母=内閣府「国民経済計算」。コード決済額はクレジットカード紐付け利用分を除いた金額。政府目標・新目標はキャッシュレス推進検討会とりまとめ(2025年12月公表)による。

よくある質問
キャッシュレス決済比率は何%ですか?
経済産業省によると、2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%(国内指標・162.7兆円)です。2010年の16.6%から一貫して上昇し、政府目標「2025年までに4割程度」は達成済みで、新たな目標は「国内指標で80%」(中間目標は2030年に65%)とされています。なお国際比較指標では2025年の比率は46.3%です。
コード決済と電子マネーはどちらが多いですか?
コード決済(PayPay等)の方が多くなっています。2021年までは電子マネーが上回っていましたが、2022年に逆転し、2025年はコード決済16.6兆円に対し電子マネー6.0兆円と約2.8倍の差がつきました。電子マネーは2023年の6.4兆円をピークに縮小に転じています。
キャッシュレス決済で一番使われている手段は何ですか?
クレジットカードです。2025年のキャッシュレス決済額162.7兆円のうち、クレジットカードが134.6兆円(82.7%)と大半を占めます。次いでコード決済16.6兆円(10.2%)、電子マネー6.0兆円(3.7%)、デビットカード5.5兆円(3.4%)の順です。
グラフ作成プロンプト
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