総務省の通信利用動向調査によると、スマートフォンでインターネットを使う人の割合は、60代が2014年の15.7%から2024年は78.8%へ約5倍、70代は5.3%→53.0%と10倍で過半数を超えた。80歳以上は1.2%→18.7%と15倍だが依然2割弱。60代のネットの入口は2019年にパソコンからスマートフォンへ逆転した。
調査概要
スマートフォンでインターネットを使う人の割合は、この10年で高齢層が最も大きく伸びた。60代は2014年の15.7%から2024年は78.8%へと約5倍。70代は5.3%→53.0%と10倍に増え、ついに過半数を超えた。80歳以上も1.2%→18.7%と15倍になったが、水準はまだ2割弱にとどまる。
「高齢者はネットを使わない」という前提は、少なくとも60代・70代については数字の上で崩れている。では、その高齢層は何を使ってネットに来たのか——次のグラフで見る。
高齢層のネット利用が伸びた背景には「入口の交代」がある。60代がインターネットに使う端末を見ると、2014年はパソコン47.3%に対しスマホ15.7%とPCが優勢だった。しかしスマホが伸び続け、2019年に逆転。2024年はスマホ79%・PC51%と、スマホが主役になった。
パソコン利用率が10年でほぼ横ばい(47%→51%)なのに対し、スマホは5倍に伸びた。60代は「PCを覚えた」のではなく「スマホでネットに来た」という構図である。
この調査の「利用率」は、スマートフォンを保有している割合ではなく、インターネットに接続する端末としてスマートフォンを利用している人の割合を指す。端末を持っているかより一段厳しい定義で、実際にネットに使っているかを測っている。「高齢者のスマホ普及率」として語られる数字にはこの利用率と保有率が混在しがちなので、プレゼンで使うときは「保有」と「ネット利用」のどちらを指すかを区別すると誤解がない。
2024年の年代別に見ると、20代〜50代は90%前後で頭打ちになっている。伸びしろとして残っているのは60代(78.8%)から上で、とくに80歳以上は18.7%=5人に1人に満たない。デジタルデバイド(情報格差)は解消したのではなく、「80代の壁」として最年長層に凝縮された、という構図が読み取れる。
数値は全国の世帯・世帯員を対象とした調査に基づく。年代を1つの平均でまとめている点に注意が要る。たとえば60代でも前半と後半で利用率は異なると考えられ、80歳以上は幅が特に広い。実際のターゲット設計では、この全国平均をそのまま当てはめず、より細かい年齢や地域の内訳とあわせて参照するのが望ましい。
| 年 | 60代 | 70代 | 80歳以上 |
|---|---|---|---|
| 2014年 | 15.7% | 5.3% | 1.2% |
| 2016年 | 31.1% | 12.2% | 2.5% |
| 2018年 | 46.4% | 19.7% | 4.6% |
| 2020年 | 64.4% | 35.6% | 9.3% |
| 2022年 | 73.7% | 46.9% | 17.3% |
| 2024年 | 78.8% | 53.0% | 18.7% |
※「利用率」はインターネット接続端末としてスマートフォンを利用していると回答した人の割合で、端末の保有率とは異なる。参考:60代のパソコン利用率は2014年47.3%→2024年51.1%。2024年の年代別スマホ利用率は20代91.6%・30代93.2%・40代92.4%・50代90.0%。
60代は2020年以降、伸びがゆるやかになり頭打ちが近い。70代はまだ上昇の途中で、80歳以上は10年で15倍になったとはいえ2割弱にとどまる。次回・令和7年調査(2026年公表見込み)での観測点は2つ。頭打ちが近い60代がどこで止まるか、そして最後の壁である80歳以上が2割を超えるか——を定点で確認する。
※出典:総務省「通信利用動向調査」(令和7年版情報通信白書 掲載データ)。「利用率」はインターネットに接続する端末としてスマートフォン/パソコンを利用していると回答した人の割合で、端末の保有率とは異なる。数値は各年の調査時点(各年末)。年は調査実施年。60代のスマートフォン利用率は2014年15.7%→2024年78.8%、パソコンは47.3%→51.1%。年代別(2024年)はスマートフォン:20代91.6%・30代93.2%・40代92.4%・50代90.0%・60代78.8%・70代53.0%・80歳以上18.7%。
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