業務で生成AIを利用したことがある企業は2026年で46%(45.9%)。一方、組織として実践・活用できている企業は36%にとどまり、約10ポイントの乖離がある(JIPDEC・n=1,107)。
調査概要
ChatGPTが急速に普及した2024年の調査(2024年1月実施)では35.0%だった生成AI利用率が、2025年に45.0%へと10ポイント急増し、2026年は45.9%とほぼ横ばいで推移している。急増から鈍化への転換は「使い始めた企業が出揃った」ことを示しており、次の焦点は利用の「深さ」へと移っている。2025→2026年で何が起きたのかを、次のグラフで掘り下げる。
2024年から2025年の1年間で、生成AI利用率は35.0%から45.0%へと10ポイント急増した。ChatGPT-4の普及や競合ツールの台頭が「使わないと乗り遅れる」という空気を作り、半ば強制的に導入が進んだ構図だ。しかし2026年は45.9%とほぼ横ばいになっており、「まず使ってみる」という初期導入フェーズはほぼ完了し、次のフェーズに移行しつつあることが読み取れる。
コロナ禍のテレワーク急増と構造が似ている。外部からの強制力(競合の動き・経営層の号令・マスコミ報道)が、「使う理由」より「使わない言い訳をしにくい空気」を作った。最初の10ポイントは「衝動的な導入」であり、次の10ポイントを稼ぐには組織の中に根付かせる必要がある。
2026年調査で明らかになったのは、生成AIを「業務で利用したことがある」企業(45.9%)と「組織として実践・活用できている」企業(36.0%)の間に約10ポイントの乖離があるという事実だ。46%の企業が「使ったことはある」一方で、業務に組み込んで成果を出せている企業は36%にとどまっている。残りの10ポイントが「使ったことはあるが、実践には至っていない企業」の帯を形成している。
「使ってみた」と「使いこなしている」の間には、利用規程・ガバナンス体制・従業員リテラシー・業務プロセスへの組み込みという4つの壁がある。ツールを触った段階では「利用経験あり」になるが、組織として成果を出せる状態になって初めて「実践・活用」と呼べる。この差が生成AI投資のリターンを大きく左右する。
| 調査年(各年1月) | 生成AIを業務で利用している企業 |
|---|---|
| 2024年 | 35.0% |
| 2025年 | 45.0% |
| 2026年 | 45.9% |
※各年の設問定義が若干異なるため傾向の把握を目的とする。2026年の「AI実践・活用」企業は36.0%。
利用率の急成長フェーズは2025年で一区切りとなり、今後は「どれだけ業務に根付かせられるか」という深化フェーズに移行する。実践率36%をいかに50%・60%へ引き上げるかが、次の2〜3年における企業の競争軸になる。ガバナンス整備・人材育成・業務プロセス改革を伴わない生成AI導入は、利用率の数字が増えても実業績には結びつかない。
※各年の設問定義:2024年「会社または個人で契約・登録した生成AIを使用している」企業の合計、2025年「全社的に利用が推奨されている・特定部門での利用に限定されている」企業の合計、2026年「業務で生成AIを利用したことがある」企業の割合。設問定義が異なるため厳密な経年比較ではなく傾向の把握を目的とする。
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