総務省の令和7年度調査によると、1日あたりの平均利用時間(全年代)は、平日がインターネット183.9分・テレビ(リアルタイム)156.1分、休日がインターネット192.9分・テレビ189.2分。平日は2023年度、休日は2024年度にインターネットがテレビを逆転した。2020年度に休日で93.2分あったテレビの優位は、6年間で解消された。
調査概要
日本人が平日にテレビをリアルタイムで見る時間は、2020年度の193.2分から2025年度は156.1分へと減少した。一方でインターネット利用時間は149.3分から183.9分へ増加。両者は2023年度に逆転し、2025年度は平日のネット利用がテレビ視聴を27.8分上回っている。
2020年度に43.9分あったテレビの優位は3年で消えた。では、差がもっと大きかった「休日」はどうなったのか——次のグラフで見る。
2020年度、休日のテレビ視聴は247.4分と、ネット利用(154.2分)に93.2分の大差をつけていた。その後テレビは6年間で計58.2分減り、ネットは38.7分増えて、2024年度に逆転。2025年度はネット192.9分・テレビ189.2分となった。
平日の逆転(2023年度)から1年遅れて休日も入れ替わったことで、平日・休日を問わず「最も長く使われるメディアはインターネット」という構図になった。
この調査の「テレビ(リアルタイム)視聴」は、放送と同時に視聴した時間だけを指す。録画番組の視聴(2025年度・平日15.6分/休日22.4分)は別に集計され、テレビ画面で動画配信を見る時間は「ネット利用」側に入る。つまりこのグラフが示すのは、正確には「リアルタイム放送の視聴時間の減少」であり、テレビ受像機が使われなくなったことを直接示すものではない。「テレビ離れ」という言葉を使うときは、何からの離脱を指しているのかをこの定義に照らして確かめる必要がある。
テレビの優位を「貯金」として見ると、この6年の変化は一目瞭然だ。平日43.9分・休日93.2分あった貯金は毎年目減りし続け、2025年度にはどちらもマイナス——ネット優位に転じた。6回の調査のうち、差がテレビ側に戻った年は一度もない。
同時に、テレビが「消えた」わけではないことも数字は示している。休日のテレビ視聴は今も189.2分=3時間超あり、新聞(休日8.3分)・ラジオ(同7.3分)とは桁が違う。起きたのは消滅ではなく「1番手と2番手の交代」である。
2系列は同一調査(総務省・全年代平均)の公表値から本記事が単純に差を計算したものである。注意すべきは、これが13〜79歳の「平均」だという点だ。報告書には年代別の集計が掲載されており、年代によってテレビとネットのバランスは大きく異なる。全体平均の逆転をそのまま特定の年代に当てはめず、ターゲット年代の内訳とセットで参照するのが正しい使い方である。
| 年度 | 平日テレビ | 平日ネット | 休日テレビ | 休日ネット |
|---|---|---|---|---|
| 2020年度 | 193.2分 | 149.3分 | 247.4分 | 154.2分 |
| 2021年度 | 171.9分 | 156.3分 | 213.9分 | 154.2分 |
| 2022年度 | 163.5分 | 154.7分 | 207.2分 | 164.3分 |
| 2023年度 | 162.9分 | 173.6分 | 202.0分 | 179.7分 |
| 2024年度 | 154.7分 | 181.8分 | 182.7分 | 183.7分 |
| 2025年度 | 156.1分 | 183.9分 | 189.2分 | 192.9分 |
※テレビ(リアルタイム)視聴は放送同時視聴のみで、録画視聴(2025年度:平日15.6分・休日22.4分)やネット動画視聴は含まない。インターネット利用は機器を問わない。
公表値で見ると、平日の差は直近2年で−27.1分→−27.8分、休日の差は逆転初年の−1.0分から−3.7分となった。次回・令和8年度調査(2027年6月頃公表見込み)での観測点は2つ。逆転して間もない休日の差がどう動くか、そして6年間一度もテレビ側に戻っていないこの系列が続くかどうか——を定点で確認する。
※出典:総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月公表)。調査対象は13〜79歳の男女約1,800人(年度により1,782〜1,800人)。「テレビ(リアルタイム)視聴」は放送と同時に視聴する時間で、録画視聴(2025年度・平日15.6分/休日22.4分)やインターネット経由の動画視聴は含まない(動画配信の視聴は「ネット利用」に含まれる)。「ネット利用」は機器を問わないインターネット利用時間。グラフ③の「差」は本記事が公表値から単純計算したもの。年度表記は調査実施年度(2025年度=令和7年度・調査は令和7年12月実施)。
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